2026年7月1日に施行される新しいEU税関規則が越境ECに与える影響

18 June, 2026
EU Customs Changes - E-commerce parcels

E-Commerce

現在、欧州連合(EU)の消費者向けに商品を販売されていますか? その場合、2026年7月1日に施行されるEU税関制度の大きな変更について理解しておくことが重要です。

これらの変更は、越境EC貨物の取り扱い方法における抜本的な見直しを意味しており、EU域外からEUへ輸入されるほぼすべての小包に影響を及ぼします。

アジア太平洋(APAC)地域のEC事業者にとって、ブランド公式ECサイト(brand.com)の運営者、オンライン小売業者、マーケットプレイス出品者、物流事業者を問わず、これらの変化を理解することは非常に重要です。これは、法令遵守(コンプライアンス)の維持にとどまらず、利益率の確保、配送品質の維持、そしてシームレスな顧客体験の提供につながるためです。

EU向けEC輸入を取り巻く構造的変化

今回のEUの決定は、越境EC市場の急速な成長を背景としています。2024年には、年間46億個を超える低価格帯の小包がEU域内に流入しており、EU域外の事業者から消費者へ直接配送される取引の規模の大きさが明らかになっています。1

こうした輸入量の急増により、税関当局の業務負担が増大しているほか、製品の安全性、法令遵守、そして公正な競争環境に対する懸念も高まっています。

政策当局は、現行制度における主なリスクとして、規制に適合しない製品の流入、広範な価格・価値の過少申告、ならびにEU域内の小売事業者との競争条件の不均衡拡大を挙げています。2,3

その結果、EUはより強固で透明性の高い税関制度へと移行しており、広範な税関改革の枠組みのもとで監督体制およびリスク管理の強化を進めています。5

 

2026年7月1日に発効する主な変更点

1. 150ユーロ免税枠の撤廃 

最も重要な変更点の一つは、長年にわたり適用されてきた150ユーロの関税免税枠の廃止です。これまで、この基準額以下の商品の場合、関税なしでEUへ輸入することが可能でした。

2026年7月1日以降、この免税措置は撤廃され、金額にかかわらずすべての貨物が関税の対象となる可能性があります。2,4

低価格商品の大量出荷に依存している企業にとって、これはコスト構造における大きな転換であり、価格戦略やフルフィルメントモデルの見直しが必要となります。

2. 3ユーロの定額関税の導入

関税徴収を簡素化を図るため、EUは低価格EC小包に対して、品目カテゴリ(関税分類に基づく)ごとに3ユーロの定額関税を導入します。2

これには、いくつかの実務的な影響があります:

  • 複数商品を含む出荷では、複数の関税が課される可能性があります
  • 商品構成が最終的な着地コストに直接影響します
  • 注文の構成がますます重要になっています。

この措置は、EUに流入する越境EC小包の大部分に適用され、より包括的な税関制度が導入されるまでの暫定的な措置として設計されています。4,5

3. 販売者責任の強化

この新たな枠組みでは、販売者—またはその物流パートナー—に対し、税関コンプライアンスに対するより大きな責任を求めることで、輸入プロセスに対する説明責任を強化します。

この移行は、「関税込み引渡条件(DDP)」の原則により合致するものであり、最終消費者が配送時に関税を支払うことに依存する手法の実現可能性を低下させるものです。5

その目的は、透明性を向上させ、法令違反を削減し、Eコマースの領域全体において、より公平な競争環境を構築することです。

4. 品目レベルでの税関申告の義務化

企業は今後、正確な商品分類およびデータ提出を含む、より詳細な品目レベルの税関申告要件を順守しなければなりません。

輸入VATなど既存の義務と相まって、これらの要件は、追加的なコスト層と事務処理の複雑さをもたらします。

5. 追加コストおよび手数料

3ユーロの関税に加えて、以下のような追加料金が発生する可能性があります:

  • 輸入VAT(すでに適用済み)
  • EU全域での取扱手数料(2026年11月1日に導入予定)で、提案されている料率は2ユーロです。7
  • 管理費または仲介関連費用

これらの要素が組み合わさることで、総着地コストの算出は大幅に複雑になり、より精緻な価格設定とコスト管理が求められます。4,5

 

実際には、これは何を意味するのでしょうか?

新しい規則により、着地コストの構造は根本的に変わります。

着地コストはもはや単純でも無視できるものでもなく、品目ごとに細分化され、複数の層から成り、出荷内容に大きく依存するようになります。

例えば、複数商品を含む注文では、複数の関税、VAT、さらなる追加手数料が発生する可能性があり、コストの透明性と正確な計算がこれまで以上に重要になります。

 

Eコマースビジネスへの影響

配送時に予期せぬ費用が発生すると、顧客との間に摩擦が生じ、信頼の低下、コンバージョン率の低下、そして購入後の体験の悪化につながります。特に、消費者がチェックアウト時における総費用の完全な透明性をますます期待するようになっている現在、この問題は一層深刻化しています。

同時に、より厳格なコンプライアンス要件や品目レベルのデータ要件の高まりにより、業務の複雑性は増大しています。企業は、より詳細なデータの管理が求められるほか、誤りによる通関遅延のリスクにも直面しており、正確な商品分類への依存度が一層高まっています。

これは、税関でではなくサプライチェーンの上流でコンプライアンスが始まる、データ駆動型の税関環境へとEUが広くシフトしていることを反映しています。5

 

Asendiaがお客様の移行をどのように支援できるか

新しいEU税関環境を乗り切るには、単なるコンプライアンス対応を超えた、戦略的なアプローチが求められます。

Asendiaは以下の目的のために設計された柔軟な配送および通関ソリューションを通じて、Eコマースビジネスを支援します:

  • 関税および税金管理の簡素化
  • 配送成功率の向上
  • コストの透明性向上
  • 変化するEU規制への適応

Asendiaは、画一的なアプローチを適用するのではなく、企業の具体的なニーズや成長への志向に基づき、最適な配送および通関戦略を特定できるよう支援します。

 

EU税関の変更がビジネスに影響を及ぼす前に先手を打ちましょう。
当社の専門家にご相談いただき、何が変化しているのかを把握した上で、自信を持ってクロスボーダー戦略を構築するための準備を進めてください。


 

参考文献

[1] Council of the European Union – New customs duty rules for small parcels | https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2026/02/11/council-gives-final-green-light-to-new-customs-duty-rules-for-small-parcels/ 
[2] European Commission – Removal of €150 customs duty exemption | https://taxation-customs.ec.europa.eu/news/e-commerce-150-eur-customs-duty-exemption-threshold-be-removed-2026-2025-11-13_en 
[3] KPMG – EU: New customs duty rules for small parcels in e-commerce | https://kpmg.com/us/en/taxnewsflash/news/2026/02/tnf-eu-new-customs-duty-rules-for-small-parcels-in-e-commerce.html 
[4] European Commission Press Release – €3 duty on low-value parcels | https://ec.europa.eu/commission/presscorner/api/files/document/print/en/ip_25_3045/IP_25_3045_EN.pdf 
[5] European Commission – EU Customs Reform | https://taxation-customs.ec.europa.eu/customs/eu-customs-reform_en 
[6] Deal reached on Union Customs Code reform | https://www.europarl.europa.eu/pdfs/news/expert/2026/3/press_release/20260323IPR38815/20260323IPR38815_en.pdf

[7] E-commerce, also the EU Parliament against duty exemption for products under | https://www.eunews.it/en/2025/07/09/e-commerce-also-the-eu-parliament-against-duty-exemption-for-products-under-e150/


 

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